進捗どうですか?セキュリテの3つのファンドからの分配、そして投資のリスクについて
ども、こんにちは。
4月も半ばとなり、ぼちぼち決算報告も出てくる時期です。株式投資をしている方は、気になっていることでしょう。
一方で、決算報告は上場企業に限った話でもありません。セキュリテで投資した3つのファンドで1年目の決算を迎え、分配明細書が発行されました。
セキュリテのファンドは、売上に応じて分配額が決まり、会計期間中に十分な売り上げがなければ、元本割れとなってしまいます。
事業の進捗はいかがでしょうか?
ババ引いた!?各ファンドの売上進捗率
では、分配明細書が発行されたファンドを見ていきましょう。
1年目での決算時点での売上が、事業計画及びリクープ売上金額(元本がすべて償還される売上金額)に対しどの程度の進捗化を見ていきます。
※分配明細書は出資者のみ閲覧可能ですので、ここには詳細は掲載しません。
肌で感じるオーガニックコットンファンド
「メイド・イン・アース」という事業者で、国産のオーガニックコットン製品を製造・販売しています。
会計期間:4年
事業計画に対する進捗:23%
リクープに対する進捗:27%
このまま順調に進めば、元本割れは無さそうです。売上が伸びれば事業計画通りとなりそうですが、月次の売上が伸びていないようなので、あまり期待はできないかもしれません。
ちなみに投資家特典として天然石鹸が届いたのですが、泡立ちが悪く流れにくいもので、使用していて大変ストレスを感じます。製品の質は改善してほしいところですね。
グリーンハンド炭素循環農法ファンド
福岡県の「グリーンハンド株式会社」という事業者で、炭素循環農法で野菜を育てています。
会計期間:3年
事業計画に対する進捗:12%
リクープに対する進捗:16%
うわ、これは元本割れ濃厚ですね。このままいくと元本の半分も償還されない見込みです。年次の売上は前年度を下回っており、月次の売上もバラついています。
さらに悪いことに、このファンドは投資家向けブログを1度も更新していません!
計画を達成できていない要因や今後の対策を報告してもらえれば、まだ気休めとなりますが、これでは何も期待はできないですね。
高い授業料となりそうです。
まちの太陽光発電所ファンド京都Part2
京都の市民発電所で、事業者は「合同会社京都サンエネルギー」です。
会計期間:10年
事業計画に対する進捗:11%
リクープに対する進捗:13%
今のところ、順調のようです。事業計画を上回るペースですね。ただ気になるのは固定買取価格制度です。買取価格が下がり続ければ、元本割れとなってしまうかもしれません。
ちょっと心配な事業者もありますが、分配金が引出可能となったら、セキュリテの気になるファンドに投資したいと思います。
ハイリスク・ローリターン覚悟!?改めて考えるセキュリテのリスク
3事業者のうち、2つはリクープしそうですが、1つは大幅に元本割れしそうなペースとなっています。
ちょっとここで、過去の償還済みファンドを見てみましょう。
グラフは2015年4月18日時点での償還済みファンドの年利換算リターン(税引前)です。最近あまり募集のない音楽ファンドと、一口当たり出資額10万円以上のファンドは除いています。
ざっと見て、元本割れしたファンドは結構あります。元本が半分以上毀損したファンドもいくつか見られます。一方で、リクープしたファンドでも、リターンは年利換算で1%未満のものが多いです。
但し、マイクロファイナンス事業に限れば、年利換算7%程度の安定したリターンが出ています。
ちなみにこれら全てのファンドに1口ずつ投資した場合、トータルで元本割れします。
一般にハイリスクと言われる株式の場合では、元本が半分以下、下手をするとゼロになることもざらである一方で、数年あれば何倍にも伸びる銘柄もあり、平均で年5~15%程度のリターンが見込めると言われています。
こう見ると、改めて小規模事業者への投資はハイリスク・ローリターンと言えます。当たり前と言えば当たり前ですが、現実は厳しい!
資産運用としては魅力的な選択肢と言えず、あくまで事業への共感や、投資家特典を目当てとして投資するのが適切ですね。特に投資家特典は出資額の10%超に相当するものが多く、株主優待とは比べ物になりません。
私は「お金を有効に使って欲しい」という目的で投資をしているため、現状でもセキュリテでの投資は魅力的なものです。
しかし一方で、社会から期待されている「ふるさと投資」の普及を考えると、より多くの人が出資したいと思うものにしていかなければなりません。そのため、事業計画通りのリターンを出せる事業者の割合を高めることや、大幅に事業計画を下回りそうな事業者には十分な説明責任を果たしてもらうことが求められます。ハードルの高い話ではありますが、今後に期待したいところ。
ではでは。