日本の資金循環を変える!クラウドクレジットのセミナーに参加しました
ども、こんにちは。
相変わらず更新をサボっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、昨日は大阪で開催された、クラウドクレジットのセミナーに参加してきました。
大阪で初めてのクラウドクレジットセミナーを行いました! pic.twitter.com/tM7er9p1aW
— Tomoyuki Sugiyama (@tomoyuki_sugi) 2015, 6月 13
クラウドクレジットの目指すところと、ペルーのビジネスについて
まず、社長の杉山さんから、クラウドクレジットのビジネス全般について紹介がありました。
背景として、リーマンショック後、世界的な銀行への規制強化と新興国での資金需要の増加というミスマッチを埋めるべくクラウドファンディング市場が伸びているということ。
そして、クラウドクレジットの目指すところは、この資金の需要と供給をつなぐことで、「日本のお金の流れを先進国型に変える」だそうです。
え、日本って先進国でしょ?と思いますが、ここで指しているのはアメリカ、イギリスのような金融先進国のことです。アメリカのようにリスクマネーを海外に提供する一方で、国債が安全資産として海外で買われるという循環を目指すそうです。
海外投資の選択肢が増えるのは、投資家にとってメリットとなるのは分かりやすいですが、国債を海外で買ってもらうことについては、どういった意味を持つのか理解するのは難しいところですね。債券が広く買われるというのは、信用力が高く、調達する資金の額やタイミングがより自由になるということでしょうから、それだけ政策の自由度も増してくるのでしょうか。
もっとシンプルに、有難がられる側に回る、という理解でもよいのかも。
また、クラウドクレジットの代名詞ともいえる、ペルーのビジネスについても簡単な説明がありました。こちらのファンドについて、当ブログでも過去に記事にしております。
不良債権を金融機関からガバッと額面の1%程度(!)で買い取り、債務者と相談して減免の上で返済してもらうという流れです。なんせ買い取り額が小さいので、何割も減免しても利益が上がり、債務者にとってもクラウドクレジットにとってもプラス、金融機関にとってもバランスシートが健全化されるメリットがあります。また、ペルーは資源国で経済も通貨も安定しており、意外にリスクの限られるビジネスのようです。
なかなか優れたビジネスモデルじゃないかなーと思いましたが、直接話を聞いて、やはり期待できそうな気がしています。
意外に低リスク?欧州消費者ローンファンド
後半はセールスマネージャの成さんより、5月より募集開始の欧州消費者ローンファンドについて説明がありました。こちらのファンドについても、当ブログでも過去に記事にしました。
P2Pレンディング市場については、アメリカが最も大きく、ヨーロッパはまだ成長途上。クラウドクレジットの扱う資金規模だとアメリカでは小さすぎて参入が難しく、ヨーロッパへの進出となったそうです。
また、イタリアとエストニア・スペイン・フィンランドの3か国では提携先が異なります。イタリアでの提携先であるAgataは、借り手のスコアリングをアナリストが行い、一方エストニアでの提携先であるisePankurでは、スコアリングを自動化し、コストを下げているそうです。
気になっていた借り手についてですが、主に給与所得者が給料のつなぎに使う、いわゆるフリーローンだそうです。日本でいうキャッシングやサラ金の類ですね。
私は事業で殖やすわけでもないのに高い利子でお金を借りるメリットがよく分かりませんので、どうも消費者金融市場の意義について疑ってしまいます。。
しかし大勢いる借り手の目的は千差万別であり、借り手にとって借りれた方が良いのか借りれない方が良いのかはケースバイケースで、結局のところ、誰でも自由にアクセスできるチャンネルがあるのが望ましく、それがビジネスとして成立するのならやればよいのだろうと思うことにしました。
一方、投資家にとってのメリットはかなり大きそうです。
というのも、国内の融資型クラウドファンディングは事業者向けで、利回りは数社程度の事業者の経営状況に左右されリスクが大きいです。
一方、P2P消費者ローンなら借り手は数万単位で存在し、ほぼ期待値通りの利回りに収束することが見込めるそうです。もちろん、提携先のスコアリングの精度がカギを握るわけですが。
ソーシャルレンディングというよりクラウドクレジットのビジネスへの投資
ところで、ペルーのファンドも、欧州の消費者ローンファンドも、子会社貸付の形式で運用されます。
クラウドクレジット webページより
投資した資金はクラウドクレジットの現地子会社に貸し付けられます。子会社のビジネスが順調であれば、一定の利率で返済が行われます。子会社の収益が想定を上回れば、それをプールして、逆に収益が想定を下回った場合はこれを取り崩すそうです。子会社の方である程度リスクを吸収してくれるとも言えますし、子会社にリスクが集中しているとも言えます。
このような仕組みなので、プラットフォームを通じて借り手にお金を貸すというよりは、クラウドクレジットのビジネスに投資する、というふうに捉えた方が理解しやすいでしょう。
セミナーに参加した印象や、webサイトなどの情報発信の姿勢を見る限りでは、透明性も高く、ビジネスも非常に面白いので、投資するに値する、いやむしろ乗っかりたいぐらい、と思っています。
ちなみに、社長の杉山さんの印象ですが、見た目通り誠実な印象な一方で、意外に体格が良く、声が素敵でした。会社を興して海外飛び回っている方ですから、実際はとてもエネルギッシュなのでしょう。
少人数でのセミナーだったので、質疑応答というかざっくばらんな話が続き、会場の使用時間ギリギリまで話し込んでしまいました。ペルーやエストニアの状況なんかも聞ければ良かったと思いましたが、時間が足らず。ぜひまたの機会に色々と聞いてみたいところです。
ではでは。