伊藤忠と資本提携した「クラウドクレジット」 グローバルでソーシャルな事業の拡大に期待!
ども、こんにちは。
今週はなかなか面白いニュースがありました。
伊藤忠商事がソーシャルレンディング事業に参入、クラウドクレジットに資本参加 | ZUU online
総合商社の伊藤忠が、ペルーのマイクロファイナンスに投資する「クラウドクレジット株式会社」と資本業務提携を結びました。
クラウドクレジットはなぜ選ばれた?
商社が注目するグローバルx金融x技術
ソーシャルレンディングが注目され、ついに大手商社が参入するに至りました。日本の大手企業はイメージよりもずっと保守的でなく、市場があるとみなせば喰いついてきます。
で、maneoやクラウドバンクなどの先行事業がある中で、2013年に発足し、昨年出資の募集を開始したばかりのクラウドクレジットがなぜ選ばれたか、ちょっと想像してみましょう。
伊藤忠のプレスリリース
クラウドクレジットに資本参加しソーシャルレンディング*1事業に参入 : ニュースリリース | 伊藤忠商事株式会社
伊藤忠のプレスリリースを見ると、クラウドクレジットさんの事業について、図解付きでかなり詳しく紹介しています。これは伊藤忠としてもかなり、クラウドクレジットさんの事業に惚れ込んでいるのではないでしょうか。
先行する海外勢ならびに国内同業ベンチャー数社は、同一国内でのボロワーとレンダーの融資仲介を行っているのに対し、クラウドクレジットは、資金余剰傾向が強い国から資金を集め、資金需要の旺盛な欧州・新興国に資金提供するクロスボーダーでのサービスを指向しています。
(中略)
国内外でのベンチャー投資を積極的に推進している伊藤忠商事はFinTech分野*2を注力分野のひとつと位置付けており、今回のような先進的な金融サービスを創造する企業への投資を通じて次世代の日本の金融システム構築の一翼を担うと共に、自社のグローバルネットワークを活かして、日本発のテクノロジーやサービスを世界に広めていきたいと考えます。
(中略)
*2「FinTech」について
FinanceとTechnologyを組み合わせた造語であり、金融とIT技術の融合によるイノベーション、その実現を目指すITスタートアップ企業を指す。
大半のソーシャルレンディングが、国内の不動産を投資対象としている中、新興国に投資するクラウドクレジットが、グローバル展開する伊藤忠のビジョンと一致したようですね。
そして、「FinTech」というキーワード。私も最近、気になっております。国内でも中小企業向けにこういったサービスを提供するスタートアップが増えていますね。
ところで「資本業務提携」とは?
これによりクラウドクレジットはどうなる?
「提携」という言葉はかなり広義ですが、今回は「第三者割当増資」、つまりクラウドクレジットの株式を、伊藤忠が買うことになります。
プレスリリースによれば、「クラウドクレジットの持つ発行済み株式の約18%を2億円超で取得し同社経営陣に次ぐ株主」となるとのこと。
クラウドクレジット側から見れば、経営権の一部を譲渡するものの、返済義務のない2億円が手に入るという、おいしい話です。
加えて、伊藤忠の持つ経営や技術等のノウハウ、そして人脈等の経営資源を活用できることになります。ベンチャー企業にとって人的資源は特に重要のようです。
伊藤忠商事は、株主であるマネックス・ベンチャーズを通して元東京証券取引所の取締役でマネックス証券のCEOを務める松本 大氏や、カブドットコム証券やミクシィの立上げ・成長を支援したフェムトグロースキャピタルのゼネラルパートナーである磯崎 哲也氏の助言と協力を得ながら、日本国内での販売、システム開発、及びマーケティングの支援を通して、2018年に融資総額1,000億円を目指します。
大きな可能性を持った新しい事業を見つけ出し、出資して経営をサポートし、世界に向けて送り出す。
うーん、ベンチャーキャピタルって、かっこいいですね。
これを受けて、クラウドクレジットは事業の拡大やインフラ整備を行っていくとのことです。
クラウドクレジットのプレスリリース
クラウドクレジットは今回の増資によって財務体質の強化、さらなる優秀な人材の採用、投資プラットフォームの機能拡充の早期化および為替ヘッジ取引を始めることによって円建て商品の拡充を行う等の新規業務の開始を図り、伊藤忠商事との協業による事業シナジーも目指して参ります。
今後はメキシコや欧州の個人や中小企業をサポートするプロジェクトを2015年4月以降順次開始する予定です。
これらのプロジェクトでは当初はお客様に現地通貨建てで投資をいただくことになりますが、順次円建てのプロジェクトもお客様にお届けできるよう準備を行って参ります。
投資家向けのメールにも、欧州での事業について言及がありました。
プレスリリースにございます通り、今回の資金調達によって当社はプラットフォームの利便性向上の早期化を図る一方で、財務体質を強化することを通じて為替ヘッジ取引を開始して円建てのプロジェクト拡充を行う準備を引き続き行って参ります。
また先日一部で報道されました通り、当社は現在欧州の中小企業や個人に貸付を行うプロジェクトの準備も行っており、現在は欧州地域における拠点設立の手続きを行っています。拠点設立手続きが完了し次第、こちらも近日中に公表させて頂くことを予定しています。
先日の記事で紹介した通り、クラウドクレジットさんが現在扱っている、ペルー小口債務者支援プロジェクトには、私も投資しています。
国内のソーシャルレンディングでメジャーな不動産担保プロジェクトでは、小口で投資でき、個人の資産運用の選択肢を拡げたという意味では、お金の集め方はソーシャルです。
しかし、使い途は不動産の取得という富裕層向け事業であり、私のイメージするソーシャルとは違うのではないかと思い始めています。
そんな中で、クラウドクレジットさんの事業はあくまで貧困問題の解決を目指すものであり、実に投資して楽しいプロジェクトです。
今後の事業展開でも、いいプロジェクトを期待しております。
クラウドクレジットさんのプロジェクトについて、もう少し詳しく紹介したかったのですが、長くなったのでまた別の機会に、記事にしたいと思います。
お楽しみに。
ではでは。